シャチ12頭、流氷に挟まれる

当社ログハウス、ラウスクルの目と鼻の先の海岸で起きた悲しい事故です。


2005.2.7

7日午前8時ごろ、北海道羅臼町役場に、知床半島の先端部近くの根室海峡に面した相泊漁港付近に、
流氷に挟まれて動けないシャチがいると連絡が入った。
役場職員が確認したところ、シャチ12頭が岸壁近くで流氷に挟まれていた。
役場職員らが同日朝から夕方にかけて救出を試みたが、作業は難航し、同日中の救出はできなかった。
うちの数頭はすでに死んだとみられる。

 同町環境課によると、シャチは体長6〜8メートルのオス1頭、
4〜6メートルのメスとみられる6頭、1〜3メートルの子どもが5頭。
岸壁から4〜20メートルの範囲で尾びれや背びれを氷上に出したままで挟まれていた。
時折、しおを吹いたり、尾びれを動かしたりしていたが、抜け出すことはなかった。

 町役場では羅臼海上保安署に連絡し、巡視船が接近しようとしたが水深が浅く断念。
同漁港の漁船が氷を割ろうとしたが、流氷がすぐに海面をふさいだ。
また体長1メートルほどのシャチの尾びれにロープをかけ、8人くらいで引っ張ったが、びくともしなかったという。

「流氷は今朝、相泊に着岸した。流氷に追われて閉じこめられたのでは。
非常に珍しい」と羅臼海上保安署は話す。8日の作業は状況を見たうえで判断するという。




シャチ12頭、流氷に挟まれる

知床半島先端の北海道羅臼町の相泊漁港付近で7日から流氷に閉じ込められていたシャチ12頭のうち、
1頭は8日、自力で脱出した。残る11頭のうち8頭は羅臼町の調べで死亡が確認された。
町は死体を港に集め、今後、処理方法を検討する。

 脱出したのは体長4〜5メートルのメスの成獣1頭。
午前6時ごろ、ゆるんだ流氷の切れ目から抜けだし周囲を動き回り、
午後1時過ぎには約3キロ沖まで離れ、見えなくなったという。
ほかの11頭のうち8頭は、力無く浮かんでいた。
2メートルに満たない子どももおり、みな流氷にぶつかり傷だらけだった。

 午後3時過ぎ、地元の漁業関係者2人が小型漁船1隻を出し、
流氷の塊を避けながら近づき、尾びれにロープをかけて引き揚げた。
だが、流氷が邪魔で思うように運べない。2頭だけを運び、カラスが寄りつかないよう海中にとどめおいた。
残りは9日早朝の満潮に合わせて、作業を再開する。

 現場には地元の人たちが時折、車で乗り付け、シャチの死体や引き揚げ作業を見守った。
地元の男性は「鯨が打ち上げられたことはあったが、
シャチは初めてではないか。しかも、こんなにたくさん」と驚いていた。

 羅臼町にはすでに愛知県の水族館から人工授精用に精子がほしいとの要望も来ている。
骨格標本や剥製(はくせい)などへの利用の申し出もあれば応えていく方針だ。
町環境課の田沢道広・自然保護係長は「見えないものはダイバーに頼んで捜す。
ほかにも助かったシャチがいるかもしれない」と話している。

  

  



2005.2.24
シャチ12頭、流氷に挟まれる
 
 「骨格標本がほしい」「DNAサンプルとして筋肉がほしい」−−。
北海道羅臼町の海岸で流氷に閉じこめられ死んだシャチについての問い合わせが
研究機関や博物館から同町に相次いでいる。
9日までにあった照会は12件。
町は「科学的な記録をきちんと残したい」という国立科学博物館(東京都台東区)などの要望を踏まえ、
有効活用の道を模索している。
 
 同町は9日、死んだ11頭のうち9頭を回収した。
海生ほ乳類が本来の生息地から紛れ込んだり、
死体で漂着するケースのデータを集めている同博物館の山田格・動物第1研究室長(海のほ乳類学)は
「シャチの1家族のデータがほぼまとまった形で集まるのは極めてまれ。
さまざまな研究を手がける国内の研究者と協力して可能な限り記録として残したい」と言う。
 
 世界的にもシャチの生態を研究する機運が高まりつつあり、
山田室長は「情報の少ない日本近海のシャチについて(各国研究者に)情報発信するうえで貴重なサンプルになりそう」と期待する。
 
 筋肉や臓器などの一部を採取したり、DNAを解析することで
(1)直前の健康状態や死因の究明(2)脂肪酸の解析(3)海洋汚染の状況(4)家族関係の解明(5)死亡直前や日ごろの食性−−
などのデータ収集が期待できる。
 
 シャチの骨格標本を所有する博物館や水族館などは少なく、
全身か頭骨の骨格標本を求める博物館や水族館も多いとみられる。
知床博物館(網走管内斜里町)の増田泰学芸員は「ただ漂着したのとは違い、
死んだ時期が明らかな1家族がほぼまとまっている。
できれば全身骨格標本として1体、頭骨の骨格標本として1、2個欲しい」と話す。
 
 羅臼町は死がいの回収などにダイバーなどを雇っており、
シャチを譲り渡す研究機関などに費用を一部負担してもらう考えで、価格の見積もりもしている。
引き取られなかった肉などは町の水産系廃棄物処理場でバクテリア分解し、肥料として活用する。
 
------------------------------------------------------------------
 
シャチ12頭、流氷に挟まれる
 
 北海道・知床半島の羅臼町相泊港付近で、流氷に挟まれ死んだ9頭のシャチは
14日、同港内から陸揚げされ、解剖作業が始まった。
サンプル採取のため内臓や血液などの提供を求める研究機関の関係者らが参加した。
作業は16日までの予定。シャチの生態は未解明な部分が多く、
専門家らは「貴重な研究試料になる」と関心を寄せている。
 
 死んだ9頭のシャチはオス1頭、メスと見られる5頭、3頭の子ども。
14日はオス(6.6トン)、メス(2.6トン)、メスと見られる子ども(0.7トン)の3頭が陸揚げされた。
 
 シャチはクレーンでつり上げられ、写真撮影、外部観察、体重測定の後、町の水産系廃棄物処理場に運び込まれ、
研究者の手で内臓や筋肉、皮脂、骨などに分けられた。
 
 作業にあたった国立科学博物館動物第1研究室の山田格室長(海棲哺乳(ほにゅう)類)は
「死んでから時間がたっているが、個体数も多く貴重なサンプルが得られるだろう」と話した。
 
 シャチが見つかってから同町には、「DNA解析のためのサンプルを」「骨格標本にしたい」などという依頼が相次いだ。
これまでに国立科学博物館のほか日本鯨類研究所、東大海洋研究所、北大大学院獣医学研究科など二十数件にのぼった。
 
 山田室長によれば、国内でシャチが群れで確保された記録は「1920年代と70年代にあるだけ」という。
「骨格標本も10体程度。群れの特徴を示すオスの成獣を含め、
一つの家族が集積された今回のケースは、生態を解明する上で大きな意義がある」と話す。




TOPにもどる