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冒険中、大好きな写真を撮るたびに川端氏は家族のことを思い出していた。「今、自分がやりたいことができるのは家族のおかげだ!」と。そして必ず生きて帰るんだと胸に言い聞かせ流氷の上に足を進めた。知床半島を周りしばらく進むと大きな湾にたどり着く。ホロモイというところだ。「ホロモイ」とはアイヌ語である。「ホロ」→「大きい」 「モイ」→「湾」 「大きい湾」を意味する。ちなみにこの「知床」という地名はアイヌ語の「シリエトク」が語源である。「大地の終わるところ」「地の果て」を意味する。 そしてこのホロモイには番屋があった。サケマス漁業の番屋である。そしてそこには網を守るため一人の老人がいた。10月から5月の雪解け時期までこの番屋で一人で網を守り続けるこの老人はオホーツク老人と呼ばれていた。 二人が番屋を目の前にしたとき番屋にはランプがついてあり、煙突からは煙が出ていた。「中に人がいる!」早速二人は番屋の中へ入っていった。「ごめんくださーい!」老人の第一声は「誰だっー!どこから来たっー!」。驚くのも間違いない。船が行き来できないこの知床の冬に、交通手段がない岬の突端までまさか流氷の上を歩いてくるとは誰も思わない。その後、近くでテントを張ろうとした二人に老人は「うちにとまってけ。」と食事と宿を与えた。その日二人は氷のベットから久しぶりに暖炉と人の温かさに触れて老人の番屋で宿をとった。川端氏はこう言う「あの時老人が出してくれた煮豆は決して美味しくはなかった。でもその煮豆が甘く感じたのは老人の暖かいやさしさがあったからだ・・・」。 ![]() その夜老人と布団に入りながらいろいろな話をした。その中で老人は言った。「一人はやっぱり寂しい・・」と・・。 そして夜が明けて出発の準備をしている二人に老人が話しかけた「頼む。もう一晩泊まっていってくれ。」老人も寂しかったのであろう。その言葉にうれしく、二人もよろこんでもう一晩宿をとることにした。「爺さんもう一晩泊まっていくよ!」夜までの時間近辺を歩き回った。この知床にはたくさんの奇岩が立ち並ぶ。そうして夕方頃、流氷原に沈むすばらしい夕日を見た。 |